食育という言葉をよく耳にするようになってきました。幼稚園や保育園では食育に力を入れているところもあるようです。食育というと物事が理解できる年齢にならなければむずかしいイメージもありますが、1歳~3歳の幼児期でも取り組むことができます。今回は幼児の食育ではどんなことができるのかなどについてまとめました。
食育とは
食育の定義
農林水産省によると、『食育は、生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきものと位置付けられるとともに、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てるもの。』と定義されています。つまり、食事についてさまざまなことを学び、学んだことを実生活で活かすことができるようになることとされているのです。
食育の目的
「食べることとはどういうことか」を学ぶ
食育の目的は、食べることとはどういうことかを学ぶことが目的となっています。現代社会では忙しさやダイエットで食事を抜いたりする人も増えています。またどこでもすぐにさまざまな食品が買えたり食べられたりすることにより、栄養バランスが偏ってしまいがちです。そのため生活習慣病になる人も増えており、いかに食事が健康にとって大切かがわかります。健康的に生きていくには食育を通して大人も子どもも食事内容の大切さを学んでいくことが目的となっています。
食事のマナーを学ぶ
ほかには食事中に肘をつかない、音を立てて食べないなどの食事をするときのマナーも学びます。一緒に食事をする人に不快な思いをさせないことも食事をする上では必要なことだからです。また料理を作ってくれる人や食材、その食材を作る人たちがいるおかげでおいしく食べることができるということも学びます。食べ物となる食品は、その命を懸けて私たちの食事となってくれています。また料理も作ってくれた人が献立を考え買い物し、手間暇かけて調理をしてくれるおかげでおいしい食事を摂ることができます。これらの人や食べ物への感謝の気持ちを持つことで食事ができるありがたさを学ぶことも食育の1つの目的となっています。
日本では地域によってさまざまな郷土料理があります。そんな郷土料理を知ることやその郷土料理ができた背景を知ることも食育を行う目的なのです。
子供に食育をするメリット
勉強や体力への影響
朝ごはんを食べない子どもが増えていますが、朝ごはんを食べないと頭も働かないので勉強面に影響が出てきます。また食事を抜くことで思うように力が出ず、体力もつかなくなってしまいます。食育を行い朝ごはんを摂るようになれば、そんな学習面や体力面での変化を期待することができます。
マナーを知ることができる
食事時はさまざまなマナーがありますが、それは誰かに教わらないとわからないこともありますよね。食育を行うことで自然とマナーを身につけることができるようになります
栄養について考えられるようになる
どういう風に献立を立てれば栄養バランスが整うのか、何にどんな栄養が含まれるのかなども学ぶので、バランスよく食べる意識が持てるようになります。
社会問題に関心を持つことができるようになる
食べ物がどういう過程を経て店に並び、調理されるのかを知ることができます。すると肉や魚は生きていたことやそれらを捌く人がいることを知ったり、日本の文化について興味が出てくるようになります。また現在問題となっている食品の大量破棄などの社会問題についても関心が高まるようになるでしょう。
家庭でできる食育の取り組み
1歳児
1歳児の子どもへの食育は、教育というよりも遊びや体験を通して行うといいでしょう。一緒にスーパーなどへ買い物に行った際買った商品を袋に詰めてもらったり、買ってきた食品を触ってもらいます。その食品と絵本の食品を見比べたり、感触を知ってもらうことも食育になります。ほかには自分のスプーンやフォークを並べてもらうこともいいでしょう。
2歳児
2歳児の子どもは少しずつ大人の指示を理解し、いろいろなことができるようになってくるころです。イヤイヤ期に入っている子も中にはいるので、様子を見ながら親も子どもも無理なく楽しめる時に行うといいでしょう。具体的にはサラダに使う野菜をちぎったり洗ってもらったり、食材を混ぜてもらったりなど簡単な調理を一緒にやることができます。またラップにご飯を包んでおにぎりを作ったりすることもいいでしょう。
3歳児
3歳児になるともっとできることが増えていきます。お菓子作りを一緒にして、クッキーの型抜きをやってもらうことができます。ほかには切った食材を並べたり、卵の殻割りをすることもできます。子どもも楽しめ、作った料理を一緒に食べる喜びも味わうことができます。また配膳や片付けをお願いすることもいいでしょう。
いかがでしたか?
食育を通して食事の楽しさやマナー、文化などさまざまなことを学べることがわかります。家庭で食育を行う際は子どもの「やりたい!」という気持ちを尊重してあげるようにしましょう。途中でやめてしまっても、無理に続けさせる必要はありません。子どものやる気が学ぶ楽しさにつながるからです。親子で一緒に学んでいけるといいですね。